はじめに
Googleアドセンス審査に受かるには、独自コンテンツが必要とされています。
しかし、公式ではその定義が曖昧で、ネットで調べても「独自コンテンツが大事」ということはわかっても、再現性の高い手順はほとんど見つかりません。
そのため、私自身も手探りで何度も挑戦することになり、結果は不合格。
その経験から、Google公式である検索品質評価ガイドラインを読み込み、独自コンテンツが再現可能になる6つの要素から4ステップを整理しました。
この4ステップを理解・実践することで:
- 独自性の定義が明確になる
- 質の高い独自コンテンツを再現しやすくなる
その結果として、誰でも審査に合格しやすくなるでしょう。
アドセンスに受かりたいが、独自コンテンツがよく分からない・どう書いていいか分からないという人向けの記事です。
前提条件
まず Googleが明示的に評価基準として示している要素を整理します。
評価要素 | 原文 | 和訳 |
---|---|---|
独自性(Originality) | Does the content have a unique perspective, angle, or information not found in other pages? | 他記事にない切り口・視点・情報を持っているか |
努力(Effort) | Has the author put in significant work such as research, personal experience, or analysis? | 調査・実体験・考察など、手間をかけたか |
スキル(Talent / Skill) | Can the author present the information in a way that readers can understand and relate to? | 読者が理解・共感できるように表現する力 |
信頼性(Trust) | Is the information accurate, fair, and does it not betray the reader? | 正確・公平で、読者を裏切らないか |
コピー回避(Non-duplicate / Human Value) | Is the content human-created with added value, not AI-generated or copied? | AIや転載ではなく、人間が価値を加えているか |
検索意図 | Does the content satisfy one of the user intents: Know / Do / Website / Visit-in-person? | Know / Do / Website / Visit-in-person のいずれかを満たしているか |
解像度を上げる
現状の説明だけでは抽象的で全体像がぼやけており、読者が実際に独自コンテンツを作る際に再現しにくい状態です。
そこで、ここからは解像度を上げ、独自コンテンツを作るためのフレームワークとして整理していきます。
このフレームワーク化により、読者は単なる理解にとどまらず、自分の記事に即座に落とし込みながら、独自性を体系的に確保できる状態を目指します。
1. 独自性(Originality)
独自性 = 作り手に備わる内なる力・特性と解釈。
- 目に見えない作り手の能力や特性
- 潜在的な力、感覚、思考の傾向など
独自性が外に現れると成果物にも宿り、その成果物には必ず差別化が備わる
- 差別化 = 他と違う特徴を打ち出し、比較されたときに選ばれる理由を作る
- 独自性 ≠ 唯一無二
- 「ユーザーにとって十分な差異があるか」が評価対象
2. 努力 (Effort)
努力(Effort)=独自性を生むための 手段・条件と解釈。
手段・条件ならば、網羅的に整理してみます。
カテゴリ | 内容 | 具体例 |
---|---|---|
情報型 | 他にない情報を集め、提供する | 現地取材、実験データ、アンケート結果、統計分析 |
切り口型 | 角度や視点を変えた分析・比較 | A/B比較、意外性のある視点での解説、トレンドの裏側分析 |
表現型 | 言い回し、語り方、文章・動画表現などで印象を残す | 比喩・ユーモア・テンポ・声の抑揚、ビジュアル表現 |
実践型 | 実体験や体験談に基づく応用・手順を提供 | やってみたレビュー、失敗談・工夫、手順の詳細解説 |
組み合わせ型 | 複数の手段を同時に用いる | 情報型+切り口型、表現型+実践型、全ての型を組み合わせた総合型 |
時間軸活用 | 過去・現在・未来を分析・提示する | 歴史の経緯、最新動向、未来予測・提案 |
深度軸活用 | 入門~専門までの深さで情報を整理 | 表層(まとめ)、中級(比較・分析)、専門(一次情報・独自研究) |
読者体験型 | 読者が参加・実践できる形に落とし込む | クイズ形式、課題・ワーク、行動指示やチェックリスト |
共感・感情誘導型 | 読者の感情に訴えて印象を強化 | ストーリー、ギャップ効果、感情を揺さぶる描写 |
- これらは独自性を具現化するためのあらゆる努力や工夫を網羅しています。
- 単独でも有効ですが、複数を組み合わせることでより強い独自性が生まれる。
- 記事執筆であれば、この表を見ながら自分のコンテンツにどの手段を適用するか決められる。
3. スキル / 才能 (Talent/Skill)
スキル / 才能 (Talent/Skill)=「読者に価値を届けるための作り手の技術・才覚」ということと解釈。
更に細分化して整理する:
スキルタイプ | 特徴 | 読者への価値 | 例(所持者イメージ) |
---|---|---|---|
知的(Intellectual) | 論理的、分析的、体系化、比較検討 | 理解、納得、学び | メンタリストDaiGoさん |
感情的(Emotional) | 表現力、パフォーマンス、共感を呼ぶ | 印象・記憶に残る、感動 | 狩野英孝さん |
行動的/実践型(Practical / Experiential) | 実体験、体験談、現場感 | 再現性、実践力、参考になる体験 | 堀江貴文さん |
総合型(All-in-one) | 3つの軸すべてを備える | 知的・感情的・行動的/実践型の全てを備える | 中田敦彦さん |
4. 信頼性 (Trust)
信頼性=「正確さ × 公平さ × 読者期待との整合性」で表せる。
要素に分解すると:
- 正確性
- 誤情報があると、ユーザー体験を損なう
- 医療・金融系では特に重大リスクになる
- 公平性(バランス)
- 特定の立場や利益に偏った情報だけだと、ユーザーを誘導してしまう
- 比較やレビューでは「良い点・悪い点」の両面がある方が信頼できる
- 読者を裏切らない
- 釣りタイトルや過剰表現 → クリックしたら全然違う内容 → 信頼喪失
- 「この情報なら安心して使える」と思わせる一貫性が必要
5. コピー回避(Non-duplicate / Human Value)
コピー回避(Non-duplicate / Human Value)=棲み分け。
つまり、:
AIの価値=ネットにあることを整理する
- AIの方が圧倒的に速く、正確にできる(ここで人間が勝負するのは無駄)
人間の価値=ネットにないことを実体験できる
- 五感や身体を通じて得た経験・知覚はAIにはどうしても生成できない
この違いを理解しないと、評価が得られない。
6. 検索意図
検索意図=ユーザーニーズの可視化。
この内容にまとめることで、評価を得やすくなる。
検索意図 | コンテンツタイプ | 内容例 |
---|---|---|
Know(知りたい情報) | 基礎知識型 | 〇〇とは?、歴史や仕組み |
比較・検討型 | AとBの違い、メリット・デメリット | |
裏情報・体験談型 | 現場の実体験や独自調査の結果 | |
Do(行動したい) | 手順・ハウツー型 | 具体的なステップ解説 |
成功体験型 | やってみて上手くいった事例 | |
失敗談型 | 注意点や落とし穴を伝える | |
Website(特定サイトに行きたい) | 公式情報型 | 公式サイトでしか得られない情報 |
比較型 | 複数サイトの情報を整理 | |
評価・レビュー型 | サイト内サービスやコンテンツの実体験 | |
Visit-in-person(実地型) | 場所紹介型 | 観光地や店舗の基本情報 |
体験レビュー型 | 実際に行ってみた感想 | |
比較・ランキング型 | 複数の場所を比較しておすすめ |
- Know/Do/Website/Visit-in-person の4軸を更に細分化して、ユーザーのニーズを網羅するだけでなく、書き手も理解しやすい形に
- 記事作成時に「どのタイプをどの検索意図に当てるか」を確認しやすい
独自コンテンツを作る方法
独自コンテンツを生み出すには、以下の4ステップを順に意識すると効果的です。
- 自分がした体験、観察、調査、実験を記録する
- 五感を使った情報を含める(見た・聞いた・触れた・感じた・嗅いだ)
- ネットにない視点や現場情報を取り入れる
- 体験系
- 実際にサービスや商品を使った感想(レビューや比較結果)
- 失敗談や試行錯誤の過程(成功だけじゃなくプロセス込み)
- 自分の生活に取り入れて効果があった/なかったこと
- 観察・現場系
- 現地でしか分からない情報(店舗の雰囲気、人の流れ、匂い、音など五感情報)
- 写真や動画(撮影したもの自体が一次情報)
- イベントや展示会のレポート
- 調査・実験系
- 独自にアンケートやヒアリングを行った結果
- 自分で検証したデータ(例えばレシピを3パターン試して比較、ツールを条件変えて実験)
- 同じ環境で複数サービスを同時に試した比較レビュー
- 思考・文脈系
- 自分のバックグラウンドを踏まえた独自の視点(「この分野の経験者だからこそ言えること」)
- 他人があまり気づいていない課題の指摘や気づき
など
- AIは「過去に公開された情報の組み合わせ」しか生成できない。
- 「公開されていない、体験・記録・観察・実験・独自視点」 がそのまま差別化要素になる。
- AIが生成できない情報になっているか?
- 単なるまとめや引用だけになっていないか?
- Know(知りたい情報)情報や知識を得たい
例:徹底解説記事、まとめ記事、基礎知識+専門的な背景解説。
- Do(行動したい)何かの行動をしたい
例:やり方、手順、使い方、体験談をベースに「この行動が役に立つ」と示す。
- Website(特定サイトに誘導)特定のWebサイトに行きたい
例:商品レビュー+公式サイトへの誘導、ツールの紹介。
- Visit-in-person(実地型)実際の場所を訪れたい
例:旅行記、店舗・観光地のレビュー、現地体験の魅力を解説。
- この記事で読者の検索意図は満たされるか?
- 検索意図に対して十分に網羅されているか?
- 意図を外した不要な情報で引き延ばしていないか?
- この記事が読者にとって有益で信頼できるか?
- 知的に説明する(論理・知識重視)
例:「リンゴはビタミンCが豊富で健康に良いです」と数字や理由付きで説明する
- 感情に訴える(共感・ストーリー重視)
例:「おばあちゃんと一緒にリンゴをかじったとき、すごく幸せな気持ちになった」
- 行動を促す(具体的手順・即実行重視)
例:「毎朝1個リンゴを食べると元気になります。今日から始めてみましょう」
- 実践型で見せる(デモ・実演・ケーススタディ重視)
「アップルパイのレシピを作って、写真で手順を見せる」
- 素材の価値が読者に伝わる表現になっているか?
- 読者がそのまま理解・再現できるか?
- 根拠のある情報は必ず引用・明示(統計・公式文書など)
例:リンゴの記事で「農林水産省によると、リンゴ1個にはビタミンCが〇mg入っている」と書く
- メリット・デメリットを両面提示
例:リンゴを毎日食べると元気になるけど、食べ過ぎるとお腹が痛くなる
- 読者が間違えないように書く
例:「りんごは芯以外は食べられます。種は硬く消化されにくいので、食べないでください。」→ 読者が誤って種まで食べることを防ぐ
- 間違った情報や偏った情報がないか確認する
例:「リンゴを食べれば絶対に病気にならない」とは書かない
- 誤情報・誤字脱字はないか?
- 偏った表現になっていないか?
- 読者にとって価値のある一次情報か?
公開OK
- 改善の余地がある失敗作
- 例:レシピ通りに作ったはずなのに失敗したオムレツ → レシピに改善の余地があり、失敗しないオムレツの作り方に価値があるため公開可能
信頼性のない情報は公開できません
- 嘘
- 間違い
- 読者が信じて行動したとき、誤解や被害が出る可能性があるにもかかわらず、信頼できる根拠を示せない情報
これらは信頼できず、価値がないため公開できません
まとめ
Googleアドセンス審査に合格するには「独自コンテンツ」が必須ですが、その定義は曖昧で再現性のある手順はほとんどありません。
本記事では、著者自身の不合格経験をもとに、検索品質評価ガイドラインから独自コンテンツを作るための4ステップを整理しました。
- 一次情報を集める:体験・観察・調査・実験・独自視点などAIでは作れない情報を収集
- 検索意図に対応させる:読者の「知りたい/行動したい/特定サイトに行きたい/現地訪問」のニーズに合わせて整理
- スキルで訴求する:知的・感情的・行動的・実践型のどの軸で読者に届けるか選択
- 信頼性を裏付けてコンテンツ化する:根拠の明示、メリット・デメリット両面提示、読者が誤解しない表現
公開可能なのは、読者に価値を与える情報だけです。
改善の余地がある失敗作などは、信頼出来る価値を提供できるでしょう。
一方で、嘘や間違い、根拠のない情報には信頼できる価値がありません。
また、独自コンテンツは特別な才能がなくても作れます。
必要なのは、実際に体験したことや調べたことを集めて、読者の知りたいことに合わせ、間違いのない形で伝えること。
手順さえ守れば、誰でも価値ある記事は作れます。
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