はじめに
Googleアドセンス審査に合格するには、記事数やアクセス数を増やせばいい──そう思っていませんか?
私も何度も審査に落ち、その情報を信じて再申請しましたが、結果は不合格。
原因を考え続けた結果、次のことに気付きました:
- 記事数やアクセス数が増えたから合格するわけではない
- 質の高いコンテンツを作ることで、結果として記事数やアクセス数も増え、合格につながる
つまり、本当に重要なのは審査基準を正しく理解することです。
この記事では、審査基準を読み解き、最短で合格を目指す 4ステップ を解説します。
ただし、その前に「なぜ4ステップが必要なのか」を理解していなければ、ネット上で「受かった人の情報」を信じても、自分がなぜ受からないのか判別できません。
だからこそ、どうか前提の部分から読んでみてください。そのうえで4ステップに進めば、合格への道筋がきっと見えるはずです。
審査基準について整理する
まずは、前提を整理します:
- 公式には公開されていない: Googleアドセンスの審査基準そのものは明かされていません。
- 応募条件に「独自コンテンツ」が含まれる: つまり、コンテンツの質が大きな評価対象になります。
- Googleには検索品質評価ガイドライン(QRG)が存在する: QRGには「独自コンテンツ」「質の高いコンテンツ」の判断基準が書かれています。
- AIと人間による審査が明記されている: QRGは、AIと人間の両方が評価に関わることを示しています。
なぜ記事数やアクセス数は関係ないのか
検索品質評価ガイドライン(Quality Rater Guidelines、QRG) で明確に否定されているから。
1. Main Content(MC)の質と量
“There are no hard and fast rules, and no minimum number of words per page. The guidelines encourage raters to decide whether the main content fulfills the purpose of the page satisfactorily.”
「厳格なルールや、ページごとの最低文字数というものは存在しません。ガイドラインは、評価者にメインコンテンツがそのページの目的を満足に果たしているかどうかを判断するよう奨励しています。」
では、何が関係あるのか?
2. Page Purpose(ページの目的)
“The first step in understanding a page is to understand its purpose. Websites or pages without a beneficial purpose, including pages that spread hate, cause harm, or misinform users, should receive the Lowest rating.”
「ページを理解する最初のステップは、その目的を理解することです。ヘイトを広めたり、害を与えたり、誤情報を流すなど、有益な目的を持たないウェブサイトやページは、最低評価を受けるべきです。」
3. Helpful, Reliable, People-First Content(役立ち、信頼でき、人を第一に考えたコンテンツ)
“Creating helpful, reliable, people-first content. Focus on creating satisfying content, while also utilizing SEO best practices to bring searchers additional value.”
「役立ち、信頼でき、人を第一に考えたコンテンツを作成しましょう。検索者にさらなる価値を提供するためにSEOのベストプラクティスを活用しつつ、満足感のあるコンテンツ作りに集中してください。」
4. 信頼性(E-E-A-T の要素)
“Of these aspects, trust is most important. Even if other aspects are strong, if trust is lacking, the page may not be considered reliable.”
「これらの要素の中でも最も重要なのは信頼性です。他の要素が強くても、信頼が欠けていれば、そのページは信頼できるものとは見なされません。」
この4つを押さえれば、「記事数やアクセス数ではなく、コンテンツの質・目的達成度・信頼性こそが審査基準の本質」という根拠になります。
なぜ記事数やアクセス数に注目してしまうのか
記事数やアクセス数のような 「数字で表せる目に見える要素」 は、結果が一目でわかるため注目されやすいです。これは複合的な心理作用が原因です。
- 結果バイアス(Outcome Bias):目に見える結果だけで原因を判断してしまう心理。 → 「記事数が多いから合格した」と考えがちですが、実際の原因はコンテンツの質です。
- ハロー効果(Halo Effect):目立つ特徴に引っ張られて、他の要素まで良く見えてしまう心理。 → 「アクセス数が多い=良い記事」と誤解しやすい。
記事数・アクセス数が注目されるのは人間の心理的バイアスが原因
とはいえ、ネット上の記事は完全な間違いではない
理由を 「翻訳」 で例えてみます。
種類 | 内容 | 特徴 |
---|---|---|
直訳(QRG) | 原文に忠実なマニュアル | 読みにくいが評価軸そのもの |
意訳(ネット記事) | 読みやすいよう解釈した記事 | 記事数やアクセス数など誤訳が入りやすい |
つまり、ネット上の記事は QRG を意訳(=コンテンツ化)したものなので、全てが間違いとは言えません。
- 直訳 = マニュアル
- 意訳 = コンテンツ
この違いを理解することが、4ステップの理解に必要 です。
コンテンツの質が高かったから合格した
記事数やアクセス数で合格したわけではありません。
合格の本質は、コンテンツの質が高かったことです。
この違いを理解できなければ、長期的に質の高いコンテンツを作ることは難しくなります。
- 記事数・アクセス数ではなく、コンテンツの質が合格の鍵
- E-A-T(専門性・権威性・信頼性)が重視される
- 数字に惑わされず、本質を理解することが重要
Column:E-A-T と E-E-A-T の使い分け
Googleアドセンス審査の情報を扱う場合、記事の信頼性を高めるポイントとして E-A-T と E-E-A-T の考え方があります。
- E-A-T(Expertise・Authoritativeness・Trustworthiness) 専門知識や権威性を基にした信頼性です。
- E-E-A-T(Experience・Expertise・Authoritativeness・Trustworthiness) 実体験に基づく信頼性を加えた形です。
例:自己紹介+本文テーマで考える
例 | 自己紹介部分 | E(経験/専門性)の示し方 | 本文テーマ | EAT/EEAT成立の理由 |
---|---|---|---|---|
① | 「私は税理士です」 | 間接的にEを示す(税理士資格による専門性) | 「確定申告のやり方を解説します」 | 専門家による解説=(E)EAT成立 |
② | 「私は毎年、Aというソフトで確定申告をしています」 | 直接的にEを示す(自らの経験を明示) | 「使い方をレビューします」 | 実体験に基づく解説=EEAT成立 |
今回のテーマに当てはめると
- 筆者は公式資格を持っていません → E-A-T は弱め
- しかし、何度も審査に落ちた経験とそこから得た洞察 → Experience に該当
- 読者が納得する情報を提供するには Experience を示すことが重要
- 結論として、このテーマでは E-E-A-T 的アプローチが高評価につながる と考えられます
- Googleが E-A-T に Experience を追加 した理由 → 無資格者や体験者でも信頼性を示せるようにするため
- Experience は必須ではない → テーマや資格の有無で補完される
- YMYL以外のテーマ → 有資格者は資格の提示だけで十分評価される
- 無資格者や体験者 → Experience を明示することで EEAT を成立させる
📌参照
E-A-T に Experience を追加
“Our latest update to the quality rater guidelines: E‑A‑T gets an extra E: experience.”
「品質評価者ガイドラインの最新アップデート:E-A-T に新たな E『経験(Experience)』が加わります。」
具体例(専門家 vs 体験者)
“Both types of content can be valuable. For instance, an accountant writing about how tax laws apply can be high E‑E‑A‑T, while someone sharing their experience using tax software can also be high E‑E‑A‑T.”
「どちらのタイプのコンテンツも価値があります。例えば、会計士が税法の適用について書く記事は高いE-E-A-Tを持ち得ますし、一方で、誰かが税務ソフトを使った経験を共有する記事も高いE-E-A-Tを持ち得ます。」
審査基準を知るための4ステップ
これが、審査基準を読み解き、最短で合格を目指す 4ステップです。
公式情報(QRG)から要点を抜き出し、骨格を理解する。
誤解や誤訳のリスクを減らすために答え合わせとして活用する。
他者の解釈と照らし合わせ、独自性を強化する。
炙り出した基準をもとに記事を修正し、質を高める。
全文を翻訳する必要はありません。QRGは200ページを超えるため、要点だけを押さえて審査に臨めば十分です。
まとめ
- Googleアドセンス審査は 記事数・アクセス数では合否が決まらない。
- 本質は「独自コンテンツ」と「質の高さ」であり、その基準は QRG(検索品質評価ガイドライン) にある。
- ネット記事はQRGの「意訳」であり、完全な誤りではないが誤解が入りやすい。
- 人は「数字」というわかりやすい要素に惑わされやすく、心理バイアスが原因で誤解が広まる。
- 信頼性を示すには E-A-T / E-E-A-T を意識し、経験に基づいた発信が有効。
- 最短合格のためには、QRG理解を軸にした 4ステップ(直訳 → AI補助 → 意訳確認 → 改善) が有効。
記事数やアクセス数は、あくまでも独自性と信頼性あるコンテンツの副産物に過ぎません。
質の高いコンテンツを届けるからこそ、結果的に記事数もアクセス数も増え、合格へと繋がります。
そのためのヒントは、すべてQRGに書かれています。
審査基準を炙り出していけば、あなたにもきっと見つけられるはずです。
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